スタート直後、やはりすばらしいスタートを決めて、先頭に立とうするダイワスカーレットを、明らかに嫌がらせと思われる騎乗で外からハナを奪ったチョウサン@横山典。でもスカーレットは見事に折り合いをつけ、大声援に掛かる馬が多い直線でもしっかりと自分のペースを保っていました。新聞でも書かれていましたが「初めての遠征で有馬記念、ファインモーションのように掛かって直線おつりが無いのでは?」と言われていた彼女、その懸念を完全にクリアです。その後ろをサンツェッペリン、マツリダゴッホ、そしてダイワメジャーが追走。まあ想定の範囲内。サムソンは中団で、これは想定よりもちょっと後ろでしたが・・・。

実は有馬記念の日に午前中だけとはいえかなり強い雨が降り、稍重のままの発走だったのは2002年以来。私が現地観戦し始めてからは初めてのことでした。それでなくても開催最終日、前日からしっかり降ったこともあって、馬場はものすごく悪かったのだと思います。確かに稍重の表示ではありましたが、力の要る馬場だったことは、上がりタイムがことごとく36秒台以上だったことからも明らか。なので、ペースは確かにタイム上は遅くはありましたが、走ってる方としては案外普通のペースだったのかも。
3コーナー辺りで各馬が徐々に仕掛け始め、4コーナーでラビット役のチョウサンはいっぱい。スカーレットとマツリダゴッホ、そして内からダイワメジャーが一気に先頭に躍り出ようとしたのですが、なんと抜けたのはマツリダゴッホ。

「先頭はマツリダゴッホだ!」の実況に、スタンドは声援と言うよりも、ドヨメキの嵐。何しろ1番人気のサムソンや、2番人気のポップロックは明らかに後方で、届くような位置ではありません。ウオッカは馬群の中。メジャーもロックドゥカンブもマツリダと比べると脚色が良いとは言えず。追いすがってきたのは3歳牝馬のスカーレットだけ。そのスカーレットも初めての急坂にすこし苦労しながらも(ものすごく外に寄れてたから、やっぱりきつかったのかも)、登り切ったところでさらに追いすがりますが、さすがに中山専用とも言えるマツリダゴッホが坂で付けた差を、3歳牝馬は短い直線で差し返すことはできませんでした。3着にダイワメジャー。距離不安が言われながらも、2年連続の3着。伸び盛りの南半球産の3歳牡馬ロックドゥカンブの追撃もかわしました。彼も中山は得意としてましたけど、チャンピオンは距離を問わないを自身が示したとも言えるでしょう。同じ場所にいたチョウサンは13着、サンツェッペリンに至ってはドベですから、メジャーの強さは証明できたと思います。
最終レース終了後、ダイワメジャーの引退式がありました。去年のディープインパクトほどじゃなかったけど、少なくともタップダンスシチーや、シンボリクリスエスの引退式を超える人が残ってました。新馬戦を生で見て、さらに皐月賞でものすごい配当をもたらして貰って以来、不振のときも、その後再びスターホースになってからもずーっと追いかけてきた馬だけに、クリスエスやタップとは違った感動がありました。引退は残念だけど、皐月賞を勝った馬が6歳冬まで第一線で競馬をひっぱっているということ自体が珍しいことで(しかも途中で引退の危機さえあっただけに)、本当に頑張ってくれたなあと思います。来年は妹を応援することにして、彼の子供が再び競馬場に戻ってくるのを楽しみにしてます。最もサンデーサイレンス産駒らしくない馬であっただけに(母の特性が強く出たのかも)、子供もSSっぽくないパワー型の馬が出ると良いですね。

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