大方の予想どおり、リーチザクラウンが逃げる展開でしたが、その逃げが微妙に速かったんですよね。リーチザクラウンの走り方は別に力んで走っているという感じでもなく、また何頭か前に行きたい馬がいたこともあり、1000m58秒台という有馬記念ではありえないようなペースなのに、馬群は比較的固まっています。やや出遅れたドリームジャーニー、そしてすでにそのペースについて行けていなかったエアシェイディがやや馬群から離される感じで、1コーナーを回っていきました。後方からと思われたブエナビスタは好位におり、それもペースが落ち着かなかった原因かもしれません。さらに、抜けた人気の馬がおらず、どの馬が勝ってもおかしくない、と見ているこちら側も思っていたように、ジョッキー達も思っていたのでしょう。
3コーナーで既に前にいた馬たちは手応えがなくなり、まず最初にテイエムプリキュアが逆噴射して落ちていきました。後方ではやはり3歳馬のスリーロールスが故障して戦線離脱。ペースは落ちないまま、中団にいた馬たちが押し出されるようにまくっていきましたが、直線で手応えがあったのは、3歳牝馬のブエナビスタ以外は最後方で死んだふりをしていたドリームジャーニー、そしていつでもマイペースの3歳馬フォゲッタブル、さらに最初はペースについて行けていなかった8歳馬のエアシェイディだけ。
直線の坂はブエナビスタとドリームジャーニーの一騎打ちでした。1番人気、2番人気の死闘に、場内の歓声もものすごかったです。その後ろから3位争いをしながら上がってきたのがフォゲッタブルとエアシェイディ。

他の馬はもう息も絶え絶え、歩いている状態で、4頭だけが競馬をしているという印象。年末の長に近い中距離ドリームレースに相応しい誰もが力を出し切ったレースになりました。
結局勝ったのはドリームジャーニーでしたが、斤量が53キロだったとはいえ、あのペース、あのレースで決して馬格が良いわけでもないブエナビスタは本当に頑張ったなあと思います。今回初めて生で見たのですが、ウオッカのような紙一重の鋭さや、ダイワスカーレットのような力強さではなく、長距離ランナーみたいに無駄を削ぎ落したようなキレを感じました。

他の3歳馬も、見せ場なくずるずると後退し、途中力尽きたテイエムプリキュアからも7馬身も引き離された圧倒的ビリの皐月賞馬アンライバルドはともかく、菊花賞→ステイヤーズステークス→有馬記念という3歳馬とは思えないローテーションで挑んだフォゲッタブルも、十分強さを示したと思います。非常にマイペースな感じで、どんなレースにも対応できそうですし、これから中長距離で活躍しそう。リーチザクラウンはもう少し速度を制御できるか、あるいはあの速度でも垂れない距離を選択すればどうにかなるのではないかとも感じました。4歳馬の出走がなかったのは残念ですが、この3歳が成長すれば、来年も競馬は面白そうです。
宝塚と有馬の2つのグランプリ制覇で、年度代表馬の目も出てきたドリームジャーニー。このところずっと乗っていた鞍上の池添騎手も嬉しかったのでしょう。わざわざゴール板前辺りまで戻ってきてくれて、スタンドに向かって挨拶をしてくれました。

2番人気でしたし、人気のあったステイゴールドの産駒、そしてその産駒らしい馬でもあり、実際ファンも多い馬ですから、スタンドからも大きな拍手が起こってました。
でも本当に小さいんだなーと思ったのは、有馬記念優勝馬に与えられるガウンを付けたとき。なんかガウンのほうが大きくて、子供が着てる感じ?お尻も見えなくなって、尻尾で持ち上げてるところが可愛いです。

引越してから、前よりも東京競馬場に頻繁に行けなくなりましたが、今日久々に生で見たGIレースが非常に面白いレースで、とても満足です。
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