2008年12月28日日曜日

[2008年有馬記念]牝馬の年を締めくくるのはやはり牝馬

今年の有馬記念は、レース後に引退式があるわけでもなく、ディープインパクトやウオッカ級のスターホースも不在、16頭のフルゲートも埋まらずに14頭立てということもあって、それほど混まないかなーと思っていたのです。が、逆にそれが面白かったのかもしれないですね。ダイワスカーレットが1番人気に支持されてはいましたが、「牝馬の一番人気ほどあてにならないものはない」とよく言われます。「過去10年で・・・」とパターンを探す予想法がありますが、過去10年どころか、37年間牝馬が有馬記念を勝ったことはありません。一方で中山大得意のマツリダゴッホ、ジャパンカップを勝ったスクリーンヒーロー、今回がラストランになるダービー馬メイショウサムソンなど他の役者も案外(失礼)そろってましたし、朝からびっしり人が入っていました。



今日は他のレースも面白くて、3Rの2歳未勝利戦ではケニアブラックが強い勝ち方をし、4Rのメンバーが揃った芝2000mの新馬戦は、牝馬のリコリスが勝利。ホープフルステークスも例年よりも良いメンバーだったと思いますが、こちらは人気のトーセンジョーダンが危なげなく勝ち、9Rのフェアウェルステークスは、芝からダートに替わって3連勝のウォータクティクスがこれまた次元の違う逃げ切り勝ち。来年に続く馬が見られて満足でした。

で、有馬記念です。枠順書いたときの懸念通り、カワカミプリンセスがちょっと減っていましたが、他はまあ想定内の範囲。アルナスラインは突然の路線変更だったということで調整が間に合わなかったのか、こちらはややゆるめでしたが・・・。やはりどの馬も一流馬。冬でもピカピカです。

私は予定通りダイワスカーレットの単勝1000円、そしてスカーレットからちょっと馬連、さらにスカーレット→スクリーンヒーロー、ゴッホ→スクリーンヒーロー、ゴッホの三連単という堅めの予想をしていました。

あっと言う間に発走時間。12万弱の入場があったという中山競馬場では、地鳴りのような歓声があがっていました。

スタートして、案の定内を見ながらスカーレットが出てきます。内では今年も横山騎手が意地悪しようとカワカミプリンセスを仕掛けていきますが、コーナーまでに決着がつかず、結局主導権はダイワスカーレットが握ることに。ただ、天皇賞での最後の伸びでスカーレットを信頼していた鞍上は、今年はここでペースをゆるめたりしませんでした。一方で直後に控える有力馬たちも先行抜けだしを得意とする馬が多く、また誰もがスカーレットは自分のペースで行けば止まらないことを知っているので、離してはいけないとぴったりとマークです。

1000m59秒台。レース後にペリエ騎手がインタビューで言っていましたが、「2500mとは思えないような」厳しい流れが続きます。2コーナーを先頭で回ったダイワスカーレットですが、私もさすがにちょっと速いのではと思ったのです。しかも3コーナー手前で2番手で待っている馬たちが仕掛け始めました。まずはメイショウサムソン。ただ彼はもうスカーレットのペースについていくのが精一杯。早々に脱落。続いて外からスクリーンヒーロー、マツリダゴッホら有力馬らが次々と4コーナーに向けてまくってきます。直線は本当に地鳴りかと思えるような大歓声。ただ「そのペースで走ってたら止まるだろう」と思われたダイワスカーレットの脚色は全く衰えません。スクリーンヒーローもマツリダゴッホも坂手前で脱落し、あとはもう独走態勢。道中、ずーっとプレッシャーをかけ続けられ、目標にされ、そして潰しにかかってきた決して弱いとは言えない牡馬たちをすべて返り討ちにして、先頭でゴールしました。ゴールしたとたん、歓声は「強えぇ」「化け物かよ・・・」という感嘆に。ダイワスカーレットの強さばかりが目立つレースでした。



今年のベストレースをあげるなら、天皇賞(秋)かこのレースだと思うのですが、逃げ馬が強いレースはやっぱりレース自体が締まって面白いです。しかも今回は特に有力馬たちがみんな勝負しようとしてたんですよね。どの馬の鞍上もダイワスカーレットは強いとは思ってたと思うのですが、強いとはいえ牝馬で、舞台は急坂が2度もある中山2500mで、血統的にも決して長いところが良いという馬でもない。一方で自分の馬なら中山は得意だとか、ダービー馬とか菊花賞馬でスタミナはあるとか、ある程度勝算はあったと思うのです。だから早仕掛けとは思えても、3コーナー手前とか、そんなところから勝負を仕掛けてきた。ところが思っていた以上にダイワスカーレットはしぶとく、その二段式ロケットは手強かった。アサクサキングスは見せ場なく最下位。ゴッホもまさかの12着。スクリーンヒーローも掲示板を確保するのがやっと。つまり、勝負をしようとした有力どころは最後の坂の前でもう力なし。すると勝負に出なかった最後方待機の馬の出番でした。なんと2着は14頭中14番人気のアドマイヤモナーク。そして3着はずりずりと後退していく有力馬をさばいて伸びてきた10番人気のエアシェイディ。1番人気の馬が勝ったのに、馬連300倍弱、三連単に至っては100万近い配当が出て、これまた場内ため息に変わりました。

ただ2センチ差と言われた天皇賞(秋)の敗戦のとき、本当に悔しかったので、すごい堅かった単勝以外はみーんな外れちゃったけど、すかっとしましたよ。これで今年の悔いは無くなったな、という感じです。ただ2センチ差で勝っていたら、年度代表馬の目もあったでしょうけど、有馬記念だけだと厳しいかな。



牝馬の有馬記念優勝は37年ぶり。今年は本当に「未曾有」の一年でしたね。

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