
19日は、国際GI競走指定でブリーダーズカップ前哨戦でもあるWoodbine Mileが10レースにメインで組まれているほか、Northern Dancer Turf Stakesもありました。到着したときはちょうど4レースが行われるところだったのですが、席も比較的空いてるし、ゴールライン目の前もレースごとに人が入れ替わる感じで、かなりのんびりした雰囲気。さすがに300mmをカナダに持ってくることが出来なかったので、70-200mmで狙っていたのですが、300mmなんて持っていてたら、注目集めること間違いなしです。いや70-200mmでも、このチャイニーズガールは何しに来たんだ的な、かなり変な目で見られてました。
まずはレープロでしょ、と思って周りを見渡すと、おじさんたちはみんなレープロみたいなのに日本で言う赤ペンで何か書き込みをしています。近くにいたおじさんに、「それってどこで手に入るの?」と聞いたら、向こうだと教えてくれたので、そっちのほうに行くと、2ドル50セントでプログラムが売られていました。しかしこれは十分2ドル50セントの価値ありです。というのも、日本で言う競馬新聞に近いレベルの情報が盛り込まれているのです。いや、馬体重が無いだけで、予想オッズまで載ってたりして、日本の競馬新聞より親切かもしれません。最後のページに見方が載っていたので、まずそれを元にレープロを読み解きはじめました。全く競馬を知らないと厳しいかもしれませんが、日本競馬は海外から輸入されたものだし、通過順位(=脚質)、馬場状態、人気、最終順位、着差、走破時間、距離など、基本は同じなのでそれほど難しくはありません。理解できたので、今度は賭け方です。こちらでは一応機械もあるのですが、まだ基本窓口で買い目を言って購入する方式の模様。オッズは日本と同じ方式で、ブックメーカー方式は採用されていません。WINが単勝、日本に無い賭け方のPLACEは1,2着に入る馬を当てるもの。SHOWは日本で言う複勝です。そして連勝単式がメインで、Exactor, Triactor, Superfecta(馬単、三連単、四連単)が売られています。複数レースの勝ち馬を当てるものもありましたが、さすがにそこまでやる気は無いので、とりあえず慣れた方式で買おうと思いました。最小賭金が2ドルですが、いわゆる馬連を買うときは1ドルのExactorを表裏買うという感じになります。
しばらく見ていて、オッズの変化が非常に激しいことに気づきました。のんびりした様子からもわかるように、日本とは1レースに賭けられている金額が違うようです。しかも、1番人気の単勝オッズもわりかし悪くないのです。そこで試しに3番人気の単勝を1レース買ったところ、これが見事勝利。2ドルが14.80ドルに化けました。ビギナーズラック再びです。
さて、これを換金せねばと思って再びうろうろ。セキュリティに聞いたところ、中央にカスタマーカウンターがあるからそこで聞けと言われ、そこで「これを換金するにはどうしたらいいの?」と聞いたら、賭けるところで換金できると言われて、再び賭けの列へ。つまり、換金というよりは、勝った額を再びかけてもらおうという思惑があるようです。もちろん現金で戻してもらうのもOK。
次はパドックを探そうと思ったのですが、どこにもPaddock→という標識が出ていません。英語でもパドックはパドックなのかなーと思ってうろうろしていると、端の方から裏側に通じていることに気づき、スタンドの裏側にパドックを見つけました。あまりに小さくて、そして誰もいないので、全然気づきませんでした。よく海外競馬の中継で登場するような、木が生い茂った美しいパドックです。

厩舎から連れてこられた馬たちは、パドックに併設されている装鞍所でゼッケンだの鞍だのが取り付けられて(そこも観客が入れる)、そしてパドックへ引かれていきます。パドックの時間は短く、あっという間にコースへ出ていってしまいました。
少し資金を得たので、それをNorthern Dancer Turf Stakesにも賭けました。No.6のFifty Proof単勝へ2ドル。。単勝25倍くらいの穴馬だったのですが、レース成績から言って、あまりにも不当評価だと思ったのと、今日の馬場コンディションから言って、後ろから行く馬よりも前に行く馬のほうがよさそうと思ったからです。それがおもいっきりはまって、直線抜けてきたときは、目の前を50ドルがひらひらと舞いましたが、最後内から差してきた断然人気の英国馬、Redwoodに首ほど差されて2着。5は1番人気でしたが、6は中穴でしたから、馬単123倍、Placeの6番でも15倍もついたのをみて、うぉーPlaceにしときゃよかったと思ったのも後の祭り(笑)。となりのお兄ちゃんが、誰かとケータイで話していて、「1着はイギリスの人気馬でさ、そうそう、でも2着が6だよ、そう、Fifity Proof。まじだって」みたいなことをしゃべてて、ああ、カナダでも日本と同じだなあと思ったのでした。
ここで気づいたが、WinとPlaceが意外と差が無いということです。馬連という賭け方がスタンダードで無い代わりに、Placeで2頭に賭ければ、馬連と同じような感じになるのかなーと漠然と思いました。
さて、メインのWoodbine Mile。どの馬もよさげにみえたのですが、これまた成績の割に人気のない10番のWoodbourneが気になります。10番、6番、7番というWoodbine競馬場で良績を残している馬に今度はPlaceで賭けてみることにしました。そしてどうしても気になる10番には単勝でも2ドル。
直線、10番が外から差してきて、うぉー2着まで持って来い!と思ったのですが、結局3着どまり。次の予定があって、返還額まで見てないのですが、単勝で50倍もついてたから、きっとSHOWでもかなりいい線行ったんじゃないかと思うんですよね。というわけで、欲をかかずに複勝にすればよかったという、なんかいつもどおりの終わり方でした。勝ったのは、4番のCourt Visionでした。

最も驚いたのが、レースが終わった後、普通に騎手が観客のいるスタンド側に入ってきて帰っていくこと。騎手が調教師と「馬はすごくよかったんだけど、馬場がよすぎたね」とか言ってるのが丸聞こえ。日本じゃ絶対にありえない。こういう競馬に慣れてる彼らが、10万人以上入るJCとかに乗りに来たら、確かにやみつきになるだろうなあと強く思いました。いや、逆にあまりに特別扱いで、嫌な感じなのかな。

お天気もよくて、なかなか楽しい競馬体験でした。そうそう、こちらは基本禁煙で、外でも喫煙所以外では吸うことができません。そういう意味でも良い場所だったなー。